ミツバチの世界

 

 

 

(新しく誕生した女王蜂は毎日旺盛に産卵します)




<女王蜂は、オスとメスを産み分けられます>

 働き蜂は、すべてメスです。そして、通常の6角形の巣房はすべて働き蜂の巣房なのです。雄蜂の巣房も6角形ですが、働き蜂よりも1.5倍ほど大きい巣房で、主に働き蜂の巣房の外側に見られます。
 女王蜂が、そのオス・メス、それぞれの巣房に産み付ける時、オスとメスと異なる卵を正確に産み分けています。その違いは、受精卵か無精卵かによって決まります。
 受精卵は働き蜂になり、無精卵は雄蜂になります。女王蜂は、それを正確に産み分けています。
 確率的でしかない人間や他の動物からすると、驚きです。


1、ミツバチの家族

 ミツバチの巣には、女王蜂と働き蜂、そして雄蜂がいます。
 女王蜂は、毎日毎日卵を産み続けます。
 働き蜂は、その卵が成虫になるまで毎日世話をします。そして、花の蜜や花粉を集めてきたり、巣を作ったり掃除をしたり、不眠不休で働き続けるのです。
 雄蜂は、新しい女王蜂が誕生し、交尾をする時になると出番がやってきますが、それ以外には何もしません。楽でいいなあと思いきや、越冬準備に入る秋になりますと、餌のハチミツが消費されないように。雄蜂のほとんどは働き蜂によって殺されてしまいます。
 秋になると、スズメ蜂の襲撃にあったり、寒い冬があるなど、ミツバチの世界も厳しい自然のもとに置かれています。


2、驚異の産卵力

 初夏になりますと、巣別れの時期を迎えます。新しい女王蜂が誕生し、古い女王蜂は、群の一部を引き連れて、その巣を出ていきます。しかし、養蜂家にとっては大きな損害となるので、その対策をします。
 女王蜂は、一日に産む卵の総重量は、女王蜂の体重にも相当します。秋から冬になると次第に産卵の数は減りますが、また春になると旺盛に産むようになります。
 そして、働き蜂の寿命が、3~6か月程度なのに対し、女王蜂は数年生きて卵を産み続けるのです。産卵力は低下するもの、5年も生きた例もあるそうです。
 平均すると、女王蜂は、働き蜂の40倍も長生きをします。
 この驚異的な産卵力、長寿の秘訣は、すべて若い働き蜂が咽頭線というところから分泌するローヤルゼリーにあります。

3、栄養の宝庫

 このミツバチの世界から、私たち人間は、大変貴重な栄養源を得ているのです。
 花から集められたハチミツや花粉。
 若い働き蜂が分泌するローヤルゼリー。
 ミツバチの巣の中にあるプロポリス。
 あるいは、蜂の子が蛋白源とされることもあります。また、農作物の交配にも大きな役割を果たしています。
 特に、ローヤルゼリーには、生命の働きに大きな影響を与える貴重な物質を多く含んでいます。その中には、科学的に解明されていない物質もまだまだ多くあるとも言われています。